Artem Shumov オフィスで働くあらゆる従業員のように、この人物は「ホモ・カンパニー」である。
私たちは皆、個性的でありながら社会の一部だ。どの「サブ・ソサエティ」に属するかは自らの選択である。形と色によって、所属する集団への帰属を表明する。アクセサリーやディテールの選択にこそ、真の《自己》表現がある。
このブランドの主人公に顔がない理由は、顔が「形とディテールの理論」と矛盾するからだ。私たちは皆、固有の顔を持ちながら、同じような苦痛の表情を浮かべる。これは修正困難な過ちである。
アルテム・シュモフはもはや「形の探求」に実験を重ねない。形は何千年もかけて完成された。形さえ存在すれば、周囲の人々が自ら物語を紡ぎ、共感できる中身を埋めてくれる。
《ラボラトリー》の哲学は、「自分らしさを保ちつつ、仲間との一体感を生む服」を創造することだ。